インターバルはスピードをつけるものではない!?インターバルを徹底解説

トレーニング原理 トレーニング理論

インターバルはトレーニングの中では名が知れているため知っている方、実施したことがある方はいるのではないでしょうか

実施したことがある方は「キツイからあまりやりたくない、、」、「出し切った感が最高!」と色々感じていると思いますが何のために実施しますか?

スピードをつけるためという方が多いですが、インターバルはスピードをつけるトレーニングではありません。これも有酸素系の能力向上のためのトレーニングです

このページの記事を読んで「インターバル」についての理解が深まり、伸ばしたい能力に合った効率の良いトレーニングができるようになればと思います

「インターバル」を詳しく知りたい方はぜひご覧ください

このページではこんな疑問を解決します
  • インターバルとは?
  • インターバルの効果は?
  • 具体的なトレーニング方法は?

インターバルとは

  • インターバルとは疾走と休息(ジョグ)を繰り返すトレーニング

インターバルとは疾走と休息(ジョグ)を繰り返すトレーニングです

インターバルの効果

  • 最大酸素摂取量(以下VO2max)の向上

目的は最大酸素摂取量(以下VO2max)の向上です。最大酸素摂取量とはどれだけ多くの酸素を取り込めるかの指標です

取り込まれた酸素は筋肉に運ばれエネルギーが産生されます。このため最大酸素摂取量が高いほど速いスピードを維持できるということです

「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」には下記のように解説があります

Iトレーニングの目的はVO2maxを最大限に高めること

Iトレーニングの強度はVO2maxと同じか、極めて近い値

ダニエルズのランニング・フォーミュラ第4版 P62

勘違いされている方がいますがインターバルはスピード向上を目的としたトレーニングではありません

「速いスピードを維持」できるようになるのであって「速いスピード」がさら速くなるわけではありません

例えば「速いスピードを維持」とは4:00/kmで3000m→5000mを走れるようになった

「速いスピードがさら速くなる」とは1kmのBESTが3:20→3:15になった といったことです

このためインターバルはある程度実施すると頭打ちになりそれ以上速く長く走れなくなります

その時は「純粋なスピード」の向上が必要なためレペティションで「純粋なスピード」を向上させましょう

レペティションの具体的なトレーニング方法は別記事で紹介します(作成中)

インターバルのポイント

  • 適切なペースを守る(速すぎず、遅すぎず)
  • もう1本できる程度の余力を残す(出し切らない)
  • サブ3を目指すレベルからでOK

まず、大事なことは適正ペースを守って走ることです

適正ペースより速く走ってもVO2maxに対する効果は変わりません

このためペースが速すぎて後半に適正ペースで走れないと、後半分はただツライだけのトレーニングになってしまうため注意が必要です

遅すぎるとVO2maxへの刺激が足りず効果が小さくなります

次に、出し切らずに余力を残して終わるようにして下さい

インターバルトレーニングは出し切るトレーニングと考えている方がいると思いますが、終わった時はもう1~2本やれるくらいの余裕をもちましょう

適正ペースより速く実施できたとしても目的に対する効果は変わらず、余計な疲労を産みケガのリスクも高まるためです

そして、インターバルはサブ3を目指す辺りから実施すれば良いと思います

まずは有酸素系のベースの積み上げが大事なため、それまではジョグとLT走で有酸素系のベースを積み上げていきましょう

次に具体的なトレーニング方法を見ていきましょう

インターバルのトレーニング方法

  • ペース:5000mレースペース
  • 時間:疾走区間 ~5分
       レスト 疾走区間の50~90%
  • 合計距離:週間走行距離の8%または10kmの少ない方
  • 頻度:週1回

ペース

  • 5000mレースペース

VO2maxを向上させるにはVO2max付近のペースでトレーニングすることが効果的です

このためインターバルの疾走区間のペースはVO2maxの95%~100%となります

それは3000m~5000mのレースペースです

マラソンがターゲットなら5000mのペースで良いでしょう

ペース設定に関しては次の記事をご覧ください

上記のペース設定ツールで適切なペースを設定しましょう

強度が高すぎて設定したペースで走れなくなったら効果が減ります(下図「VO2max未満の強度」参照)

また、適切なペースより速くても適切なペースで走った場合と効果は変わらないため(下図VO2max超の強度」参照)適切なペースで走りましょう

VO2maxに到達するまでの時間・到達している時間の比較

VO2max未満の強度ではVO2maxに到達しない

VO2maxに到達している時間
ダニエルズのランニング・フォーミュラ第4版 P62

時間

  • 疾走区間:~5分
    レスト :疾走区間の50~90%

疾走区間は3~5分が適切です

安静状態から走り始めてからVO2maxまで到達するには約2分かかり、VO2maxに到達している時に刺激を与えることで最大の効果(VO2maxの向上)が得られます(下図参照)

VO2maxに到達するペースで走った場合の、VO2maxに至るまでのプロセス

VO2maxに到達するまでの時間
ダニエルズのランニング・フォーミュラ第4版 P62

レストをジョグにし、2本目以降を安静状態ではない状態からのスタートにすることによって、1本目より速くVO2maxに到達します(=効果が得られる時間が長くなる)

このため、疾走区間の間のレストは完全休息ではなくジョグを行います

400mインターバルなど時間の短いインターバルを実施する際は、レストを短くし、回数を多くしましょう

そうすることによってVO2maxに到達する時間までの時間が速くなり、回数を増やすことによってVO2maxに到達している時間の合計も長くなり効果は十分得られます(下図参照)

休息の時間をかなり短くすればショートインターバルの効果は得られる

VO2maxに到達している時間
ダニエルズのランニング・フォーミュラ第4版 P64

レストの長さは、決めた本数をペースを落とさずに走り切れる時間で設定してください

レストが短い方が良いという考えもあるかもしれませんが、強度が高すぎて設定したペースで走れなくなったら効果が減ります

速くなることが目的ならインターバルで「出し切った感」を求めるのは止めましょう。物足りなくてもう一本行きたいくらいがちょうどいいのです。

合計距離

  • 合計距離:週間走行距離の8%または10kmの少ない方

多くの方は週間走行距離の8%に該当すると思います

例えば月200㎞走っている方は週換算すると50㎞になるため上限は4㎞となります

この場合、例えば「1000m×4回」、「800m×5回」「400m×10回」になります

どれを選んでやれば良いか?ということですが

マラソン向けなら「1000m×4回」をおススメします

長い距離の方がマラソンに対して特異的であるためです

レストを短くしても距離が短いインターバルの方が楽に感じます

このためインターバルに慣れていない方は400mのインターバルから始めてもよいでしょう

慣れてきたら毎回同じ距離では無く様々な距離のインターバルを行いましょう

これは目的が同じでも手段を変えてバランスよく鍛えることが大事です

トレーニングの原則の「全面性の原則:バランスよく鍛えましょう」です

頻度

  • 週1回

週1回で十分です

まとめ:サブ3を目指すレベルになったらインターバルを取り入れましょう

サブ3を目指すレベルになったらインターバルを取り入れて効率よく有酸素系の能力を向上させていきましょう

インターバルのペースが速い方が多いため、適切なペースで実施し物足りなくてもう一本行きたいくらいで終わるようにしましょう

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